歯ぎしりがうるさいと言われてしまった時の対策や治療法
歯ぎしりは睡眠時に無意識にしてしまいます。
人に不快感を与えるだけでなく、歯ぎしりが原因の悪影響は多々あります。
そこで、歯ぎしりの原因や対策などを詳しく説明します。
歯ぎしりの原因はさまざま!子どもでも歯ぎしりをする
歯ぎしりの原因はストレスだと思われがちですが、歯ぎしりの原因は他にもあります。 自分が歯ぎしりをしなくてもパートナーの歯ぎしりが気になるなら、パートナーのために原因を探ってみてもいいでしょう。
歯ぎしりの原因を知ることで対策も見えてきますので、まずは歯ぎしりの原因を紹介します。
ストレスが溜まっている
歯ぎしりの原因で最も可能性の高いのはストレスです。 人は、ストレスが溜まり過ぎると大声を出したり、貧乏ゆすりのように無意識に体を揺らす行動を起こします。 歯ぎしりも大声や貧乏ゆすりのようにストレスが引き起こす行動の一つで、歯ぎしりをすることでストレスを発散しています。
強いプレッシャーを受けている
「明日は初めてのプレゼンだ!」
「このプロジェクトは絶対に成功させる!」
人は強いプレッシャーを受けると集中力が高まり、知らず知らずのうちに歯を食いしばっていることがあります。 昼間でも歯を食いしばるほどのプレッシャーは、眠っている間も緊張が解けずに歯ぎしりをしてしまいます。
なお、昼間に歯を食いしばっていると感じた時には、口元を緩めてリラックスするようにしてください。 昼間、歯を食いしばった状態が続くと癖になり、眠っている間の歯ぎしりにつながります。
アルコールやたばこ、カフェインによるもの
歯ぎしりは眠りの浅い時に起こります。 寝る前にアルコールを過度に飲んでしまうと眠りが浅くなります。 また、たばこやカフェインの覚醒作用も眠りを浅くします。 過度なアルコール摂取やたばこ、カフェインは睡眠前には控えましょう。
逆流性食道炎が原因になる
逆流性食道炎とは、胃液や消化物が食道に逆流して食道が炎症を起こしてしまう病気です。 胸やけや酸っぱい液体が口まで上がってくる人は逆流性食道炎の疑いがあります。
口の中に酸っぱい液体が上がってくると、もともと中性だった口の中が酸性になります。 すると、口の中を中性に戻そうとするため唾液が分泌されます。 そして、唾液を分泌するために歯ぎしりをしてしまうのです。
もし、逆流性食道炎の可能性がある、もしくは今治療中だという人は、逆流性食道炎が治れば歯ぎしりが治る可能性があります。
歯並びが悪いから
歯並びが悪い人は噛み合わせが悪いため、歯を調整するために歯ぎしりをすることがあります。 歯並びが悪くないと思っていても、加齢や虫歯、歯周病などの影響で知らないうちに噛み合わせが悪くなっていることがあります。
噛み合わせが原因の場合は歯科医で治療を受ければ歯ぎしりは改善します。
睡眠時無呼吸症候群の人
睡眠時に呼吸が数回、数秒止まるというのが睡眠時無呼吸症候群ですが、実は呼吸をしていない時に歯ぎしりをすることがあります。 睡眠時無呼吸症候群の人はただでさえ睡眠が浅く歯ぎしりをしやすいのですが、呼吸をしていない時は過度にストレスがかかっているため、歯ぎしりをしやすいのです。
睡眠時無呼吸症候群の人は、睡眠不足になりやすいので、まずは病気を治すことが大切です。
子どもの歯ぎしりは歯の生え変わりやストレスが原因
歯ぎしりは大人に限ったことではありません。 子どもも歯ぎしりをします。 ただし、子どもの場合は乳歯から永久歯に生え変わる時期に歯ぎしりをすることが多いです。昼間も歯ぎしりをするようなら、歯の噛み合わせを調節するためなので問題ありません。 しかし、睡眠時だけ歯ぎしりをしている場合や、歯が生えそろっているのに頻繁に歯ぎしりをする場合は対策が必要です。
もし、子どもが頻繁に歯ぎしりをするようなら、何か困っていることがないか話を聞いてあげましょう。
歯ぎしりが与える影響
歯ぎしりをする人は周りの人が気にしていても、本人は気にしていない場合があります。 では、歯ぎしりには何か悪い影響があるのでしょうか?
歯ぎしりは歯並びを悪くする
歯ぎしりは、強い力で歯と歯をこすり合わせているため、歯ぎしりを続けていると歯がすり減って、歯並びが悪くなります。 特に、歯ぎしりをしている時は奥歯に強い力がかかりますので、奥歯が平らになり歯並びが悪くなります。
顎関節症になりやすい
歯ぎしりは、強い力で歯をこすり合わせているため、あごの筋肉疲労も起こします。
また、顎関節の疲労も起こるため顎関節症になる可能性があります。
顎関節症は、大きく口を開けると激痛が走ったり、あごが痛くなるなどの症状があります。ひどくなるとあごが痛くて食事ができなくなることもあるので注意しましょう。 特に子どもが歯ぎしりをする場合には注意が必要です。 成長途中の子どもはあごの関節が弱く、顎関節症になりやすいので歯ぎしりを改善する必要があります。
歯周病の悪化を招く
歯ぎしりをすることで、歯に強い力がかかり歯と歯茎の隙間が大きく開いてしまいます。 その隙間に菌が入り込み増殖することで歯周病になったり、歯周病の悪化につながったりします。 歯周病になると歯ぐきが炎症を起こして赤く腫れます。
もし、最近歯ぐきがよく腫れるという人は歯周病かもしれません。
肩こりや頭痛の原因になる
肩こりがひどい人や、頭痛によく襲われるという人は、歯ぎしりが原因かもしれません。
歯ぎしりをするとあごの筋肉が使われます。 あごの筋肉は頭の横にある側頭筋につながっているため、歯ぎしりをする人の中には頭痛が起きる人もいます。 また、あごの筋肉は首や肩にもつながっていますので、歯ぎしりが原因で肩や首の筋肉を緊張状態にして肩こりを引き起こしている可能性があります。
あごにエラが張る
歯ぎしりをするとあごの筋肉が発達して大きくなりエラを張ったような輪郭になります。 エラが張っていることがコンプレックスだという人は歯ぎしりの改善をすることでコンプレックスを解消できるかもしれません。
歯ぎしりを治すための方法
歯ぎしりによる悪影響を知り、できるだけ早く改善したいけれど、一体どうすれば歯ぎしりが治るのでしょうか?
歯ぎしりを改善するための治療法や原因に合わせた対策について紹介します。
歯医者でマウスピースを処方してもらう
まず、歯ぎしりをしているとわかったら歯医者へ行きましょう。
歯医者では、自分に合った歯ぎしり改善用のマウスピースを処方してくれます。 ナイトガード、マウスガードとも言います。 マウスピースが歯ぎしりを改善するもっと効果的な方法と言われています。 もちろん急に歯ぎしりをしなくなるわけではありませんが、マウスピースをしていれば、歯ぎしりをしても歯や歯茎に直接負担がかかることはなくなります。 また、顎関節への負担も軽減されるので、顎関節症も改善できます。
マウスピースには、噛み合わせの位置を高くしてあごのストレスをなくす作用もありますので、歯ぎしりが減り、頭痛や肩こりも軽減されます。
医療分野でできるマウスピース以外の治療法
マウスピースの他にも歯ぎしりを治療する方法はあります。 代表的なものを紹介します。
- 歯並びをきれいにして歯ぎしりを改善する歯列矯正
- 起きている時の歯ぎしりを観察し、コントロールするリマインダー法
- イライラやストレス改善の漢方薬を服用する
- 歯ぎしりを減らす降圧剤などを服用する
- ボツリヌス菌で緊張している筋肉を和らげるボトックス治療
ストレスを解消する
歯ぎしりの原因がストレスだという人は多いため、日ごろからストレスを溜め込まないことは歯ぎしりの対策になります。
適度な運動をしたり、趣味に没頭する時間を作る、生活習慣を整え決まった時間に眠くなるように体内時計を整える、ストレスが溜まっている時に不足しがちなたんぱく質やビタミン、ミネラルを多く含む食事を摂るなど、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
睡眠の質を高める
寝る前の過度な飲酒、たばこ、カフェイン飲料を控えるだけでなく、睡眠の質を高めると深い睡眠をとることができるため、歯ぎしりは軽減されます。 睡眠の質を高めるためには次のことに注意しましょう。
- 覚醒効果のあるスマホやパソコンは寝る1時間前までにする
- 睡眠ホルモンの分泌をサポートするホットココアやホットミルクを飲む
- 寝室の色調を鎮静作用のある青や緑、茶色に統一する
枕の高さで歯ぎしりを治す
枕の高さが合っていないと睡眠の質が下がり歯ぎしりの原因になります。 高すぎる枕はいびきだけでなく、歯ぎしりの原因にもなります。 枕を低くすると口が開きやすくなるので、歯ぎしりが治る可能性があります。
歯ぎしりは睡眠不足の原因になる
歯ぎしりの原因はストレスだけではなく、睡眠の質や病気など原因はさまざまです。 歯ぎしりは決して軽視していいものではありません。
原因を突き止めて正しい治療や対策を行うことで歯ぎしりを改善する努力をしましょう。
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