いびきがうるさい時の原因と解消方法
いびきをかいている自分を想像してみますと、なんだかすごく恥ずかしい気持ちがします。 自分ではいびきをかいてることに気づきません。 とくにアルコールを飲んで寝た時などにかきやすく、息がとまることもしばしばあります。
気になる睡眠中のいびきの解消方法を紹介します。
目次
いびきとはどういう仕組みでおこるのか
私たちは、鼻から肺に空気が入ったり出たりして呼吸をしています。
空気の通る気道が何かの原因で狭くなり、粘膜に触れて空気が入るとその粘膜が振動して出る音が「いびき」です。
気道が狭くなる原因は、太って脂肪が付いてしまう事が主な原因です。 他にも、あごが小さい・首が短くて太い・舌が大きいなど身体の状態が原因になっていることがあります。
いびきをかくと体に負担がかかる
人間が夜眠っている時の呼吸回数は、約4,000回だといわれています。 いびきをかく人の呼吸は苦しく、ストローの先に付けた風船を膨らませるのと同じだと言われています。
睡眠中に運動をしているのと同じくらいの負担がかかるので、朝起きるとだるい感じがするのは睡眠のせいなのです。
睡眠時無呼吸症候群について
一番注目すべきいびきの原因は、睡眠時無呼吸症候群で、眠っている間に呼吸が何度も止まってしまう症状です。
寝ているとき呼吸が10秒以上停止する症状が1時間以内に5回以上発生した場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
いびきは自分で気が付くことが難しいのが現状ですが、朝起きた時にひどく疲れているときや、のどが渇いてしまう状態のときは、いびきをかいている可能性があります。 危険ないびきかもしれませんので、起床時の倦怠感がひどい場合はかかりつけの医師に相談してみる事をおすすめします。
睡眠時無呼吸症候群の症状
睡眠時無呼吸症候群に一番多い症状は「いびき」です。
閉塞型睡眠にかかっている人の約94%がいびきの症状を伴っているそうです。 その他には、歯ぎしり・頻尿・寝汗・のどの渇きなどのさまざまな症状があります。 また、朝目覚めるとものすごく疲れる時も疑う必要があります。 お気づきの方は早めに医師に相談してください。
診療科は耳鼻咽喉科や呼吸器内科、循環器科が適切です。
睡眠時無呼吸症候群の診断方法
睡眠時無呼吸症候群を診断する方法はスクリーニング検査です。
睡眠中の脈拍数や血液中の酸素濃度をセンサーで計り、睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合、睡眠中の行動を測定するために、1泊2日の入院検査が必要です。
睡眠時無呼吸症候群の治療は3種類あり、スリープスプリント(マウスピースの装着)、CPAP療法、手術を病気の程度に応じて行います。
スリープスプリント
軽度の睡眠時無呼吸症候群の治療の場合、就寝前に下あごを前方に突き出させる工夫をしたスリープスプリント(マウスピース)を口に入れて寝る方法を取り入れています。
スリープスプリントは、気道を広げ呼吸がスムーズにできるようにして、いびきや無呼吸の症状を改善します。 自分に合わせて作らなければならないのですが、保険適用になるので、5,000円前後で作る事ができます。
ただし、十分な検査をして基準を満たしていないと、適用されないことがあります。
CPAP療法
CPAP療法は、中程度から重度の治療に適しています。
患者さんの気道閉塞の程度によって空気圧を合わせ、鼻マスクで鼻から気道へ空気を送り、喉の組織を広げながら舌を押し上げることによって無呼吸状態を防いでくれます。
この治療法は、安全性や有効性が確認されていて、睡眠時無呼吸症候群の治療の第一選択になっています。 CPAP療法は外来での保険診療として扱われますので、月に一度受診する必要があります。
外科手術をする
子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因はアデノイドなど、のどの病気によるものが多いため、一番の選択肢として手術が選ばれます。
大人の場合は、アデノイドや扁桃肥大が原因の気道閉塞であることが明らかな場合や、CPAP療法がうまくいかなかった場合などは、耳鼻咽喉料医による手術を選択しなければならないことがあります。
また、いびき治療の外科手術として、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術があります。 痛みが少なく口蓋垂や軟口蓋の一部をレーザーで切除し、いびきを緩和させる方法です。 しかし、睡眠時無呼吸症候群に効果があるかと言われれば、まだわからないのが現状です。
睡眠時無呼吸症候群の対策
いびきや無呼吸症を誘発してしまう原因は、生活習慣が大きく関わってきます。 生活スタイルを変えることでいびきや睡眠障害が緩和されることもあります。 気になるいびきを改善するための方法を解説します。
減量をする
睡眠時無呼吸症候群の症状がみられた場合は、ダイエットをすることで療法につながることがあります。
食事の際は脂質や糖質を減らし、カロリーを抑えながら運動量を増やすことが大事です。 睡眠時無呼吸症候群でいびきをかくと疲労がたまり、昼間は体がだるかったり眠かったりして、体を動かすことが嫌になってしまい、運動量が減り運動不足になることもあります。 なのでダイエットが困難なことも睡眠時無呼吸症侯群を悪化させる要因になってしまいます。 せっかく苦労して体重を落としたのに、結局戻ってしまうという例がたくさんありますので、減量をする時は病院の栄養士などのサポートを受けながら行いましょう。
飲酒を控える
夕食の時にアルコールを飲むことが習慣になっている方は、いびきや無呼吸症を悪化させる要因になります。
睡眠をとる4時間前には飲酒を止めることが重要です。 特に向精神薬や睡眠導入剤・アルコールなどは、咽頭の筋肉を緩める作用があり目覚めを悪くさせるため、気道の閉塞を引き起こして長時間の無呼吸を引き起こしてしまう可能性があります。
うつ病や他の精神疾患で向精神薬や睡眠導入剤を服用している方は、急に服用を中止すると、断薬の副作用が出てしまい生活に支障をきたしたり、精神疾患がひどくなる場合がありますので、薬の服用の仕方については、主治医の指示のもとで調整してください。
禁煙する
たばこの煙は鼻やのどの粘膜に炎症を起こさせる要因になるので、空気の通り道が腫れて狭くなり、無呼吸症になりやすいです。
喫煙は血液中の酸素濃度を低下させて喉に炎症を起こさせ、睡眠の妨げになり、夜中に何度も目が覚めてしまい疲れがとれないこともあります。
さらに、喫煙している人の睡眠障害の確率は、喫煙していない人に比べると約4倍になることがわかっていますので、健康のためにも禁煙することをおすすめします。
寝る姿勢を変える
仰向けの姿勢での睡眠は咽頭や舌の上の筋肉や喉の奥の柔らかい組織が下方向に重力がかかるので、咽頭の下側や後ろ側の壁にくっつこうと下がってしまいます。 そのため空気の通り道である気道が狭くなり、呼吸した時に空気が入りにくく、いびきの原因になってしまいます。
対策としては身体を横向きにして寝るように気を付けると症状が緩和されることがあります。
横向きで寝る姿勢を維持するために、有効な方法がテニスボールを使った方法です。 寝巻の背中にテニスボールを入れるポケットを作って、その中にボールを入れて寝ると、寝返りを打つ時にテニスボールが障害になって仰向けになれないというものです。 寝返りを打って体の方向が変わると、アラームが鳴って教えてくれる装置もあるので試してみてください。
いびき対策アイテム紹介
いびきを緩和する商品も販売されていますので、軽度の無呼吸症やいびきに対しては効果が期待できる可能性があります。
対策アイテム | 使用方法 |
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鼻孔拡張テープ | 鼻孔を広げて睡眠中の鼻づまりやいびきを軽減し、鼻呼吸を楽にしてくれます。 |
口呼吸防止テープ | 口を閉じて寝る習慣をつけてくれる呼吸対策アイテムです。使用するときは、使用上の注意をよく確認してください。 |
いびき防止サポーター | 睡眠時口が開かないようにあごを固定してくれるサポーターです。 |
いびきの効果的な対策のまとめ
いびきの原因は体型や鼻の病気などの問題もありますが、睡眠時無呼吸症候群が主な原因となっており、体に負担がかかってしまいます。
無呼吸症を改善するためには、専門医に詳しく診断してもらい、治療を受けることが大切です。 スリープスプリントやCPAP療法など睡眠時無呼吸症候群の程度に合わせて治療をし、快適な睡眠を一日でも早く取り戻しましょう。
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