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睡眠負債を解消して危険な寝不足をためないたった1つの方法

2017年6月にNHKスペシャルで「睡眠負債」について放送されました。

その内容は、研究の結果、睡眠負債が蓄積すると人は心身共に重篤な病気になるリスクが高まるといったもので、2017年の新語・流行語大賞でもトップ10入りするほどの反響でした。

人体に悪影響を与える睡眠負債とはどのようなものなのでしょうか。

また、睡眠負債をためないようにするにはどうすれば良いのでしょうか。

寝溜めできない睡眠負債とは

睡眠負債というくらいなので、休日にぐっすり眠れば改善されると思いがちですが、それは間違いです。

睡眠負債は、毎日の積み重ねで起こります。 日々の生活習慣が睡眠負債を引き起こすのですが、睡眠負債がたまったからといって休日にぐっすり眠れば改善されるものではありません。

睡眠負債は寝溜めでは解消されず、たまるというのはどういう状態のことなのか詳しく解説していきます。

睡眠負債とは

睡眠負債とは、単なる睡眠不足ではありません。 また、十分睡眠を取っていると思っている人でも、実際にはきちんと睡眠が取れていない人もいます。 睡眠負債とは、毎日の睡眠不足が積み重なった結果、「睡眠」の「借金(負債)」となってたまっていくことです。

1日の睡眠不足ならさほど気にすることはありませんが、1日の寝不足が毎日となると睡眠負債がどんどん蓄積されていき、最終的には脳や体、精神にも悪影響を与えてしまうのです。

休日にぐっすり寝ても「寝溜め」はできていない

睡眠負債を休日に寝て解消することはできません。

例えば、平日は夜遅くまで仕事をしていて睡眠時間が5時間程しかないので、寝溜めをするために休日は10時間寝たとします。 その日はすっきり回復しますが、結局次の日になれば眠気は来ますから、いつもの2倍の睡眠を取ったとしても次の日は眠くならないというわけではありません。

寝ることで睡眠負債の借金を返すことは大切ですが、「寝溜め」をするまでには至らず寝不足を補っただけということです。 休日にぐっすり眠ればある程度心身共に回復しますが、「睡眠をためる」ことはできないのです。

睡眠負債がたまるとどうなるのか

睡眠は人体にとって大切なもので、睡眠負債がたまってくると心身共に異常が出てきます。

実際、睡眠不足の時は吐き気がしたり、体内時計が狂うため食欲がなかったりと、睡眠不足から体調不良になった経験がある人もいるのではないでしょうか。 1日程度の睡眠不足ではなく睡眠負債が蓄積されると、吐き気や食欲不振といった軽い症状では治まりません。

睡眠負債がたまると人体にどのような影響があるのでしょうか。

睡眠負債が引き起こす精神面のダメージとは

脳の疲れが取れなければ、精神面でのダメージは免れません。

アイデアが必要な創作作業はできなくなりますし、記憶力も低下するので仕事や私生活に支障をきたすこともあります。 また、睡眠負債が蓄積すると自律神経のバランスが崩れるため、眠る時に必要な副交感神経(リラックスさせる神経)より、交感神経(活動させる神経)が過剰に活動してしまい、さらに睡眠不足に陥ります。 自律神経のバランスが崩れると集中力の低下、注意力の散漫、意欲減少、イライラの増加などが起こります。 ひどい場合はなかなか眠りにつくことができず、睡眠障害から「うつ病」を発症するリスクもあるのです。

睡眠負債は重篤な病気になる可能性も

睡眠負債は脳と心にダメージを与えるだけではありません。

脳と心にダメージがあるということは、心と直結している体にもダメージを及ぼします。 睡眠負債が体に与えるダメージとして、最初に免疫力が低下します。 免疫力が低下すればさまざまな病気にかかるため、最も怖く風邪なども引きやすくなります。

子どもの頃、風邪をひいたら「早く寝なさい」と言われた記憶もあるのではないでしょうか。 「寝れば治る」とは良く言ったもので、睡眠をとれば免疫力も回復するため、風邪を引いた時はぐっすり睡眠を取れば回復も早くなります。 ですが、睡眠負債が蓄積している場合、風邪だけには留まりません。

免疫力の低下は、これまでになかったアレルギー疾患を引き起こしたり、糖尿病や肥満、心臓病、ガンのリスクも高まります。

脳の疲れは睡眠でしか改善されない

脳の健康は睡眠で守られています。 体を休めるには横になるだけでも良いのですが、脳の疲れは睡眠でしか改善されません。

哺乳類の中でも人間の大脳は特に発達しており、大脳をしっかり休めなければ自律神経のバランスを崩して心身共に不調に陥ります。 脳を眠らせる役目のある脳幹は、大脳を休めるために「眠くなる」状態にします。

ですが、大脳で「もう少しで仕事が終わるから頑張ろう」と思うことができてしまうので、睡眠不足が蓄積し、睡眠負債をためてしまうのです。

睡眠負債度をチェックしよう

睡眠負債の怖さはわかったけれど、睡眠負債が溜まっているかわからないという人は下記の項目をチェックしてみてください。

  1. 布団に入ると数秒で寝てしまう。
  2. 電車で座っていると眠気に襲われる、休憩時間にいつのまにか寝てしまうことが、ほぼ毎日起こる。
  3. 昼間、仕事をしていてもコーヒーやたばこなど目を覚ますものがなければ頭がシャキッとしない。
  4. 車の運転中、信号待ちなどで眠気に襲われることがほぼ毎日起こる。

この4点のうちのずれかに該当する人は睡眠負債がたまっている可能性があります。

睡眠負債をためないようにするたった1つの方法

前項で睡眠負債をチェックしたら次は具体的な解決に挑みましょう。 睡眠負債の改善の仕方はいくつかありますが、結局この方法を知らなければ睡眠負債がたまっていってしまいます。

自己流の解決方法を試す前に、肝心なことが抜けていては意味がありませんので、ぜひ実践してみてください。

自分に最適な睡眠時間をみつける

日々の寝不足が蓄積したものが睡眠負債の原因になるので、まずは自分に最適な睡眠時間を知り、睡眠不足を改善しましょう。 自分にとって最適な睡眠時間は個人で違ってきます。 睡眠時間が6時間で良い人もいれば、8時間以上必要な人もいます。 「自分にとって最適な睡眠時間」というのは、自分で決めるのではなく「自分の体に聞く」ことが大切です。

方法としては3日間で行いますが、3日間全ての睡眠時間を変えます。 1日目は6時間、2日目は7時間半、3日目は8時間というようにそれぞれ睡眠時間を変えて、

  • 目覚めはよかったか
  • 日中のだるさはあったか
  • 集中力の低下はどの程度だったか
  • 体の疲労感はあったか
  • 突然睡魔に襲われることはなかったか

を、それぞれの日でメモに書いていきます。

もし、睡眠時間6時間で目覚めが悪く、日中もだるい、疲労感が残っているなど仕事に支障が出るようであれば6時間では睡眠が足りていません。 逆に、7時間半寝た時は目覚めも良く、日中もすっきりしていて睡魔に襲われることもない、疲労感もないということであれば、自分に最適な睡眠時間は7時間半ということです。

自分に最適な睡眠時間を知ることができ、毎日しっかりその時間の睡眠を取ることができれば、睡眠負債を溜め込まない状態をキープできるのです。

睡眠負債を改善すれば全てがプラス方向に

睡眠負債は放置すると心身共に大きなダメージを与えますが、改善できれば自分の心と体を守るだけではなく、意欲や思考力を向上させるので、効率の良い仕事ができます。 自分に最適な睡眠時間を見つけるのは大切なことです。

簡単な方法で最適な睡眠時間を確認できますので、ぜひ実践してみてください。


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