健康経営の事例を紹介!導入メリットと取り組み内容とは
近年、企業側が従業員の健康に配慮することの重要性に、注目が高まっています。企業が社員の健康に配慮することを「健康経営」と言いますが、健康経営にはどのようなメリットがあるのでしょうか。健康経営の事例とメリットを紹介します。
目次
健康経営とは従業員の健康を目的とした取り組み
企業という組織があっても、所属する従業員が健康でないなら、生産性は低下し、企業利益も向上しません。つまり、従業員の健康があって初めて、企業が企業として成り立つのです。
「従業員の健康あっての企業」ということを意識し、従業員が健康に働くことができるようにサポートすることを、「健康経営」と呼びます。健康経営はさまざまな方法で実施されます。例えば、健康相談の機会を設けたり、スポーツクラブやプールなどの健康増進活動に対する補助金を支給したりすることも、健康経営の1つの手法です。
健康経営のメリット
健康経営は、労働者の利益になります。しかし、労働者の健康が増進することで、結果的には労働者の労働力に頼る企業の利益にもなるのです。健康経営がもたらす主なメリットとして、次の5つのポイントを挙げることができます。
従業員の健康を守ることができる
健康経営によって、従業員の健康を守ることができます。また、健康な暮らしには充分な睡眠が欠かせませんが、充分に睡眠をとることで集中力の向上も期待できるでしょう。集中力が低下すると運転中や作業中に事故やケガのリスクが高まりますし、作業効率も著しく落ちてしまいます。
従業員に睡眠時間を充分にとることの重要性を説くことが、従業員の健康と安全を守ることにもつながるのです。
生産性を向上することができる
しっかりと睡眠時間をとって健康に生活しているなら、集中力が高まりますので、高い生産性を発揮できます。残業せずに業務を終わらせることができ、企業体質の改善にもつながります。
また、残業しないということは個人的な時間を充分にとれるということですので、規則正しい生活と適切な睡眠時間を確保しやすくなり、翌日以降も健康に働くことができるようになります。
医療費を軽減することができる
健康を維持することで、従業員各自の医療費も軽減できます。企業内に産業医を配置している場合は、ちょっとした不調でもすぐに医師に相談するように、従業員に呼び掛けてください。万が一、体調不良になったときも、早めの処置で病気の深刻化を防ぎましょう。
企業のイメージアップにつながる
社員の健康に配慮する健康経営は、企業のイメージアップにも大いに役立ちます。健康経営を実践している企業に勤めたいと考える人は多いですので、優秀な人材が集まりやすく、企業成長も実現できます。
企業の組織力が向上する
健康な社員が多い事業所には、活気が生まれます。明るい職場では社員同士が協力的になり、一体感が生まれ、生産性の向上効果も期待できます。
オムロン株式会社の健康経営の事例
経済産業省では、健康経営を実施する企業を大規模企業と中小企業に分けて表彰する「健康経営優良法人認定制度」を実施しています。健康経営を実施している企業にとっては、「健康経営優良法人認定制度」によって健康経営が可視化されることで、関連企業や金融機関から企業が適正に評価されやすくなるというメリットがあります。
オムロン株式会社は、2017年度に引き続き2018年度も健康経営優良企業の大規模法人部門として表彰されました。オムロン株式会社で実施している健康経営への取り組みを紹介します。
睡眠教育の実施
オムロンでは、社員が健康になるための課題として、睡眠と食事、タバコ、運動、メンタルヘルスの5つに注目しました。その中でも「睡眠」を最初に取り上げ、質の良い睡眠がなぜ重要なのかについて、従業員に睡眠教育を実施しました。
もちろん、睡眠の重要性を知識として取り入れるだけでは、従業員の健康は向上しません。希望者に睡眠の質を計るウェアラブルの活動量計を支給するサービスを実施し、毎日の睡眠状態を可視化し、質の良い睡眠をとることができるように指導したのです。
血圧適正化を目指す取り組み
オムロンでは、すべての社員に血圧計を配布し、毎日血圧を測るようにと指導しています。社員自身が自分の血圧を把握することで、適正な数値になるように生活を改めやすくなります。
働きやすい環境も健康増進につながる
オムロンでは長時間労働を防止するために、残業規制施策を設定しています。また、在宅勤務制度や時間単位の有給制度など、社員にとって働きやすい環境を作ることにも尽力しています。
働きやすい環境が整うと、社員のストレスが緩和されますので、ますます健康な生活を手に入れやすくなるのです。
企業は健康経営に取り組もう
企業の成長には、健康な従業員は欠かせません。今後ますます企業には、従業員の健康増進活動に力を入れることが求められるでしょう。
従業員の健康に配慮することは企業としての底力を向上させるだけでなく、企業イメージの向上にも繋がります。従業員の健康を経営の柱の中心に据え、活気ある企業へと成長していきましょう。
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