【睡眠の質を向上させる】誰でもできる毎日のちょっとした習慣
寝ているのにすっきりしない。
短い睡眠でも体を休めたい。
理由は人それぞれでも、睡眠の質をを上げたいと思っている人は多いのではないでしょうか。
そこで、今日からでも始められる、睡眠の質を高めるためのちょっとした習慣を紹介します。
そもそも睡眠の質とは
睡眠の質とは何でしょうか?
深い眠り、浅い眠り、レム睡眠、ノンレム睡眠のことでしょうか?
睡眠について語るときに多くの場所で、睡眠時間と睡眠の質という言葉がでてくると思います。睡眠時間については時間という量尺度があるため8時間以上の睡眠が良いなど、具体的な話をすることができます。
一方で、睡眠の質は具体的に測定するための決められた方法や項目がないため、時間のように決まった尺度は存在しません。
睡眠の質は何で決まる
睡眠についてはまだ知られていない点も多く、人それぞれ異なるため、万人に共通したこれが正解というものはまだありません。
人には体内時計があり、寝るための睡眠リズムと活動するための覚醒リズムが決まっています。質の良い睡眠を取るためには、それぞれのリズムの位相に合った生活を送る必要があります。
睡眠中には成長ホルモンを含めた様々なホルモンが分泌されます。ホルモンを分泌するのにもサイクルがあり、それぞれのホルモンが分泌されるピークの時刻があります。そのサイクルに合った睡眠を取ることで、睡眠が体に及ぼす「細胞の修復」や「疲労回復」が効率的に行われます。効率的にホルモンが分泌されることで、ぐっすり寝られたなどの感覚を得ることができます。 このホルモンの分泌は、わたしたちが意図しない、自律神経によってコントロールされます。
例えば、メラトニンという眠気を促進するホルモンは体が光を感じにくくなる夕方から少しずつ分泌されていき、深夜にかけてピークを迎えます。 しかし、寝る時刻や起きる時刻の睡眠のサイクルとホルモンが分泌されるサイクルにずれが生まれてしまうと、体を修復するためのホルモンが分泌されずに、寝ているのに疲れが取れない、寝ているのに眠いなどの問題が引き起こされます。
つまり、睡眠の質が低下します。ホルモンのサイクルは日常生活におけるストレスとも関連性があり、とても繊細なものなので毎日をどう過ごすか?ということがとても大切です。
今日から始められる睡眠の質を高める習慣
睡眠の質を高めるためには、質を低下させる習慣をやめることと、質を高める習慣を取り入れることが大切です。
睡眠の質の低下は、寝るという実際の行動と体内リズムとのずれによって引き起こされます。人は臓器などの深部体温が低くなるにつれて眠たくなっていきます。このタイミングで寝ることで、質の高い睡眠を得ることができます。
質を低下させる習慣
しかし、このような生理現象に逆らって睡眠をしてしまうと睡眠のサイクルと体内のリズムが一致せず、質の低下に繋がってしまいます。つまり、睡眠の質は普段の生活から大きく影響を受けます。
もしかしたら、あなたが普段やっている行動の中に睡眠のサイクルを狂わせているものがあるかもしれません。毎日の習慣の中に、悪い影響を与える行動があれば、それをやめることからはじめましょう。
睡眠3時間前の食事
睡眠と食事は一見関係なさそうですが、食事を取るタイミングは睡眠の質に影響を与えます。
寝る直前に食事をとってしまうと、体が今から活動すると勘違いしてしまい、寝るモードに入ってくれません。なので、いつもの寝る時間の3時間前に食事をすませるようにしましょう。
寝る1〜2時間前の電子機器
パソコンやスマートフォンから発せられるブルーライトが目から体内に入ると、脳を覚醒させてしまいます。寝る1〜2時間前のブルーライトによって目が冴えてしまってなかなか寝付きにくい状況になってしまいます。覚醒状態によって睡眠のサイクルが崩れてしまいます。
寝る前のアルコール・カフェイン
寝る前にアルコールを飲むと寝やすくなるという人や寝る前にコーヒーを飲んでほっとしたいという人がいるかもしれません。しかし、お酒に含まれるアルコール成分やコーヒーに含まれるカフェインは、睡眠のサイクルに大きな影響を与えます。
不規則な睡眠
睡眠のサイクルを安定させるには、起床時刻と就寝時刻を揃えることが有効です。なので、寝る前に漫画、テレビ、スマホ、本を見ていていつもより遅い時間に寝てしまうと、結果的に朝も長く寝てしまいリズムが崩れてしまいます。
スヌーズ機能は便利ですが、決まった時刻に起きなくても良いと思ってしまうため、二度寝を促し、結果として安定した起床を妨げます。
休日の二度寝も危険です。
平日働いて、休日にする二度寝、三度寝は最高ですよね。
しかし、平日と休日で違う睡眠習慣にするのはおすすめできません。
質を高める習慣
睡眠の質を上げるために、我慢するべきことを紹介してきました。
我慢はしたくない!
どうしても我慢できないという人もいますよね。
ここでは、我慢するではなく、新しい習慣を始めることで睡眠のサイクルを整える方法を紹介します。
部屋を真っ暗にする習慣
疲れているときに電気をつけたまま寝てしまうことがあるのではないでしょうか。
どんなに疲れていても夜は真っ暗な部屋で寝ましょう。寝る前は明るい方が安心でも、睡眠に入ると脳は光を嫌がり、寝ている間に布団で頭を隠す行為がみられるそうです。普段から豆電球や間接照明などをつけて寝ている習慣がある人も、真っ暗な部屋で寝る習慣を始めましょう。
仰向けで手を伸ばして寝る習慣
寝るときの格好や姿勢は人それぞれだと思います。しかし、体が窮屈な格好で寝ていると、知らないうちに体に負担がかかってしまいます。
一般的には、仰向けは体に負担をかけないとされていますが、無呼吸症候群の方や高齢者の方はうつぶせも良いとされています。自分にあった寝るときの姿勢を見つけてみましょう。
寝る前にあたたかい飲み物を飲む習慣
人は体温が上がって、下がるタイミングで自然な眠気がくるので同じ時間にあたたかいの実物を飲むことで、睡眠サイクルを安定させることができます。
ただし、寝る前のアルコール成分やカフェイン成分はそれ以上に悪い影響を与えるので、ノンカフェインの飲み物を選びましょう。
就寝3時間前に入浴する習慣
お風呂を入るのは寝る直前という人は以外に多いのではないでしょうか。しかし、お風呂に入った直後は急激に体温が上がり、体温が下がるのに時間がかかります。自然な睡眠は、体温の下がり始めにやってくるので、入浴からしばらく経ってから寝るのが良いでしょう。
なので、就寝3時間前に入浴する習慣を始めましょう。
就寝前にストレッチする習慣
ストレスが溜まっていると寝られないことがあるように、就寝前はリラックスした状態でいることが大切です。音楽やアロマにもリラックス効果がありますが、軽い運動としてストレッチをおすすめします。体と心は繋がっており、ストレッチをすると知らないうちにリラックスすることができます。ストレッチは体を柔らかくすることもできるので一石二鳥。寝る前のストレッチ習慣を始めましょう。特に筋弛緩法というストレッチはおすすめです。慢性不眠症患者50名を対象にした研究によって、就寝前の筋弛緩法によって寝付きと睡眠の質が向上したと報告されています。
睡眠の質を高めるツール
睡眠の質を上げるために、避けるべき習慣と取り入れるべき習慣を紹介してきました。ここでは、毎日の行動や生活リズムではなく、環境を変えることで睡眠の質を高める方法を紹介します。
寝るときの環境を変える
具体的な習慣をすぐ変えるということは難しい人には、寝具や寝室を変えてみることから始めるのも良いでしょう。枕を変えたり、枕カバーを変えたり、ベッドを変えたりする方法もあります。より簡単な方法としてパジャマを変える方法もあります。体を締め付けるものではなく、ゆったりとしたもので、素材はシルク、オーガニックコットンや綿などの吸湿性と保湿性に優れた物を選びましょう。
アプリを活用する
行動を変えるためにアプリなどのサービスを利用するのも有効です。寝た時間、起きた時間、睡眠時間を計測してくれるアプリはたくさんあります。睡眠の質を高めるのに十分ではありませんが、自分の睡眠を意識するということは大切です。
睡眠の質を高めるための習慣を実行するのもまずは自分の行動を意識することが大切です。その点では、アプリをダウンロードして使ってみることは睡眠のを高めるための一歩になります。
特に、夜勤のある労働者の方や、残業が不定期にある日勤労働者の方は睡眠サイクルが不規則になりがちなので、自分で把握するためにも利用をお勧めします。
睡眠に関する論文
睡眠や睡眠の質についてとても興味のあるという方は、睡眠に関する論文を読んでみるとヒントが見つかる可能性があります。国内の論文であれば、日本語ですし、インターネットで簡単に読むことができます。
睡眠に関する内容の論文を1つ紹介します。
久留米大学医学部環境医学講座が発表した、”睡眠の位相・質・量を測る3次元型睡眠尺度(3 Dimensional SleepScale; 3DSS)─日勤者版─の信頼性・妥当性の検討”という論文があります。
良い睡眠を取るためには、個々の睡眠を位相(寝る時間、起きる時間などの生活リズム)、質、量で睡眠を把握し、どの要素に問題があるのかを抽出し、改善することが重要だと主張しています。
そのための質問票を開発し、日勤労働者に対して使用するにあたり必要な信頼性・妥当性があることを示しています。
興味がある方は、チャレンジしてみてはいかがでしょう。
睡眠と向き合えば睡眠が好きになる
いかがでしたか?
睡眠の質は日頃の生活習慣から知らないうちに影響を受けていることがあります。なので、睡眠の質を上げるための第一歩は、自分の毎日の行動を認識し、生活を少しずつ変え始めることなのです。
睡眠に対して、自分から取り組みを始めることで、不安は少なくなり、どんどん睡眠のことが好きになれるようになるでしょう。
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