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【企業で取り組む長時間労働対策】個人の作業効率アップにも不可欠!

職場によっては長時間労働が問題になっていますが、実際のところ、長時間労働は労働者だけでなく企業側にも損失をもたらします。

長時間労働による悪影響と企業側が取り組むべき対策、労働者が意識すべき事柄についてまとめました。

長時間労働の定義

厚生労働省では、1週間に40時間を超えて労働させた時間のことを時間外労働と定めています。

時間外労働が1ヶ月に45時間を超えると健康障害のリスクが高まり、100時間を超えたり、2~6ヶ月間の平均時間外労働が80時間を超えると、高い確率で健康障害や過労死等が発現するとしています。

日本においては長時間労働の明確な定義はありません。しかし、健康障害が出るかどうかで見るなら、1ヶ月に45時間の時間外労働なら「長時間労働になりかけている」、1ヶ月に80時間の時間外労働なら「長時間労働になっている」と判断できるでしょう。

参考:厚生労働省「過重労働による健康障害を防ぐために」

長時間労働による悪影響

労働時間が長くなればなるほど、労働成果が上がるというわけではありません。

労働時間が長くなると、日常生活に必要な時間が削減されますので、睡眠不足になりやすいです。 充分に睡眠をとれていない状態で仕事をすると、集中力が低くなるため、業務効率は下がります。充分に睡眠をとったときと比べて仕事量が減ってしまうだけでなく、仕事の質も低下してしまうでしょう。

仕事の量と質の低下は、事業者にとっても大きな問題です。
従業員に期待する仕事量が達成されないだけでなく、著しい質の低下により取引先を失い、事業成績が急落する可能性もあります。また、睡眠不足は従業員の健康被害にもつながります。生活習慣病やうつ病の原因になるだけでなく、車の運転や工場などの機械を扱う場所では、睡眠不足がケガや死につながることもあります。

質も量もハイレベルな業務を目指すなら、適切な労働時間を設定し、従業員に十分な休養を取らせる必要があります。

企業が取り組むべき長時間労働対策

企業自身のためにも、そして従業員の健康を守るためにも、各事業場は労働状況を改革し、長時間労働対策を実施しなくてはなりません。

事業者が取り組むべき長時間労働対策を6つ紹介します。

残業の事前申請と状況管理

労働時間が長引いたことで従業員の私的な時間を損なわないよう、残業するときは事前に申請し、適時、状況管理を実施する必要があります。月末は暗黙の了解でサービス残業をするといった事業所環境では、従業員のモチベーションも低下しますし、生産性も下がります。

管理職への研修を行う

従業員側の残業への意識と管理職側の意識が異なると、職場内の確執を生み、いつまで経っても長時間労働は解決されません。定期的に管理職への研修を実施し、長時間労働を防ぐ残業ルールについての情報を共有します。

教育による従業員のスキルアップ

所定の労働時間内で作業を終えるためにも、従業員一人一人が各自の作業をスキルアップさせる必要があります。定期的にスキルアップ講習を開催し、短時間で仕事が終えられるように従業員の能力を高めます。

人事評価制度を見直す

残業が多くて労働時間が長い人が評価されるというシステムなら、管理職側が「既定の時間内に労働を終わらせよう」と啓発しても、従業員が自発的に長時間労働をしてしまいます。

所定の労働時間内に作業が終わることや残業時間が少ないことが評価される仕組みの構築も、企業側が取り組むべきなのです。

ノー残業デーなどの制度を導入する

すべての従業員が残業をしない「ノー残業デー」を設け、退勤時間までにすべての作業を終えるように取り計らいます。部署全体をノー残業デーにすることで、従業員が一丸となり、目標到達するための協力体制も生まれます。

メンタルヘルスチェックと産業医によるチェック

時間外労働が長くなると、心身両面の健康を損なうリスクが増大します。

しかし、心身の健康を損なうのは時間外労働だけではありません。職場の人間関係や過剰な期待、偏った人事などによって、徐々に健康が蝕まれていくことがあります。 企業側は社員の変化に早く気付けるように、定期的にメンタルヘルスをチェックして、精神面の健康維持にも注意する必要があります。

また、悩んでいるときはいつでも心理療法士やカウンセラーなどの専門家に相談できる体制があることも大切です。もちろん、身体面の健康管理も大切です。産業医による定期的な健康診断を実施するだけでなく、随時、企業内医院や関連医院で健康相談を受けられる体制が望ましいでしょう。

長時間労働対策を実施しよう

労働者の健康を損なう長時間労働は、労働者自身のためにはもちろんのこと、企業の損失にもなりかねません。

そして社員の業務効率を向上させ、企業の業績を上げるためにも、会社の制度を見直し、充分な睡眠時間が確保できるような健康的な働き方が必要です。 そのためにも、まずは企業が率先して社員の長時間労働対策に取り組みましょう。

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