寝れない理由と寝るための理想的なコンディション
寝れないという問題を抱えている人の多くは、寝付けなかったり、途中で起きてしまうことが原因で、疲れがとれないと悩んでいるのではないでしょうか。
この記事では、寝れない理由と熟睡するために必要な理想的なコンディションについて紹介していきます。
寝るための最高のコンディションとは
寝るための最高のコンディションとは、自然と眠たくなるタイミングで心身ともに何の不安もなく、そのまま眠ることです。
自然な眠気はわたしたちが持っている体内時計が誘発します。わたしたちの体には体内時計があり、体内時計の働きによって、日中の活動のための覚醒状態と休息のための睡眠状態を一定のリズムで繰り返しながら生活をしています。
これらの働きは自律神経によるもので、わたしたちは気がつかないうちに「眠くない」「眠い」と感じているのです。
何の不安もないとは、「眠い状態」をそのまま維持できるということです。わたしたちの体は繊細なので、ほんのささいなことに影響を受けます。体内時計的には睡眠のタイミングなのに外的な要因で体が覚醒状態になり、体が働きはじめてしまいます。すると、体内時計と体の働きが一致しなくなってしまいます。
体内時計のタイミング、寝るための身体の状態、寝るという行動のすべての準備が整ったとき、寝るための最高のコンディションが揃うのです。
寝るためのコンディションを妨げているもの
社会の中で生活していると、寝たいタイミングで寝られないことや仕事や人間関係で不安になったり、ストレスを発散するため嗜好品に走ったりします。
もちろん、年齢からくる身体的な問題も増えてきます。様々なことが原因で、寝るためのコンディションが整いにくくなり、睡眠を妨げています。
体内時計をズラす生活習慣
体内時計は就寝時間、起床時間、食事の時間などの日頃の生活習慣から大きな影響を受けます。生活習慣が規則的だと体内時計のリズムも安定します。そのため、毎日違う時間に寝たり、起きたり、食事を取ったりすると体内時計が安定しません。すると、いつも眠たくなる時間のはずなのに寝られないなどの問題が起きてしまいます。
不定期の残業による食事と睡眠
仕事の忙しさには波があります。
仕事に一生懸命な人ほど忙しいときは、深夜まで残業をしてしまいます。しかし、仕事の波に合わせて生活リズムを変えてしまうと、就寝時間がバラバラになり、体内時計が安定しなくなってしまいます。
休日の二度寝
就寝時間を揃えることも大切ですが、起床時間を揃えることはもっと大切です。平日であれば会社があるので、決まった時間に起きるという人が多いと思いますが、仕事のない休日はいつもよりも遅くまで寝てしまうのではないでしょうか。
休日に遅くまで寝てしまうと、少しずつ体内時計が後ろ倒しになり、平日に起きるのがつらくなってしまい、結果的に平日も起床時間がずれてしまう危険があります。
朝食を抜く
起床時間がずれてしまうと時間がないからといって、朝食を抜いたりすることも増え、食事習慣の観点からも体内時計がずれる原因となります。朝食を抜くことで、変な時間にお腹がすいて、お昼ご飯、夜ご飯の時間にも影響を与えます。
体を覚醒状態にするもの
体内時計がしっかりと整い、睡眠状態によって自然な眠気を生じさせることができていたとしても、ちょっとしたことで眠気を無くしてしまう覚醒状態に変わってしまいます。覚醒状態のままベッドに入ってしまうと、寝ようと思っても体は寝る状態でないので、なかなか寝付けなくなってしまいます。
深夜飯
ご飯を食べると眠くなると思っているかもしれませんが、深夜の食事は眠れない原因になります。夜遅くまで仕事をしていたりすると、就寝直前に夕ご飯をとることがあります。
しかし、ご飯を食べてすぐに寝てしまうと胃が消化しようと働きはじめてしまうので、体が覚醒状態だと勘違いしてしまい、眠れない原因になります。
ストレス
ストレスは自律神経のひとつである交感神経を刺激して、知らないうちに覚醒状態にします。人間関係やアイデアがでないなど、不安な状態でベッドに入ってもなかなか眠ることができません。
そんなときは、考えていることをすべて書き出したり、誰かに話してみましょう。頭がすっきりして、体を落ち着かせることができます。
ブルーライト
わたしたちが使用するPCやスマートフォンの画面からはブルーライトと呼ばれる光が常に出ています。ブルーライトには日光に近い成分の光が含まれており、目から光が入ることで、脳を覚醒状態にしてしまいます。
寝床で使用し続けると、ベッドの上で寝られない状態が続き、ベッドは寝られない場所だという条件づけがされてしまいます。すると、スマートフォンを使用してなくても、ベッドに行くだけで脳が覚醒状態になってしまいます。
明るすぎる電気
ブルーライトでなくても光は脳を覚醒させてしまいます。睡眠状態はメラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンによって引き起こされますが、500ルクス以上の光をあびると分泌されにくくなります。ちなみに500ルクスがどれくらいの明るさかといいますと、机で勉強をする際に広げた本の文字がはっきりと見えるくらいの明るさというイメージです。
寝室を明るくしたまま寝るはもちろんのこと、夜に過ごす部屋が明るすぎると眠れなくなります。暖色系の照明や直接光が目に入りにくい間接照明などを利用しましょう。
タバコ・酒・コーヒー
大人になるとタバコ・酒・コーヒーを摂取する機会が多くなります。しかし、タバコに含まれるニコチン、酒に含まれるアルコール、コーヒーなどに含まれるカフェインは睡眠に大きな影響を与えます。寝る前にタバコや酒を吸ったり飲んだりすると覚醒状態のままベッドに入ってしまいます。酒は一時的な入眠作用はありますが、その後に覚醒作用があります。入眠の3~4時間前までにしましょう。
一番気をつけて欲しいのはカフェインです。15時までに摂取したカフェインは体内に残り、眠りを妨げます。
身体的や精神的な病気
体内時計と生活習慣が原因で寝ることができない人以外にも、身体的もしくは精神的な病気が原因で寝ることができないという人もいます。これまでのものとは違い、医師の治療を受けることをおすすめします。
精神疾患
抑うつ、うつ病は自分では認識していない可能性があります。ささいな音に敏感になって起きてしまう場合や、不安で急に目がさめてしまう場合は一度病気を疑ってみましょう。
睡眠時無呼吸症候群
寝ている間に呼吸が止まる状態になってしまう病気です。口呼吸が原因で起こることが多く、息苦しくなって起きてしまいます。放置していると、命にかかわる可能性もあるのでここあたりのある方は医師に相談してみましょう。
身体的なかゆみ痛み
一時的な怪我による痛みやかゆみで寝られなかったり、起きてしまうことがあります。短期的なものであれば問題はありませんが、長期的にかゆみや痛みで寝られない状態が続くと、「寝られない」という不安が溜まり、怪我が治っても寝つきにくくなってしまいます。
今日からできるコンディションを整える方法
仕事や学校などの生活習慣の事情で、寝るためのコンディションを妨げるものをすべて排除することはなかなか難しいと思います。しかし、少しずつ整えていくことはできます。
ここでは、寝られるようにする対処法を紹介していきます。寝るための準備を整えるためにできることは、体温を整えることと、リラックスすることです。体内時計をコントロールするのには、生活習慣を変える必要があり、取り組むハードルは上がりますが、体温調整とリラックスは今日からでもはじめられる対処法です。
体温を整える
わたしたちの体には深部体温と皮膚体温があります。
普段温度計で計測しているのは皮膚体温ですが、眠りと関係しているのが深部体温で、内臓など体の中の体温のことを言います。深部体温が下がり始めると眠たくなり、寝るための良いコンディションが整います。
つまり、体温の調整が大切です。
深部体温の下がりはじめをつくるためには、ほどよく深部体温を上げて、皮膚から放熱する必要があります。
ほどよく体温を上げて、放熱できる環境を整えることが大切です。
就寝の2時間前にお風呂に入る
就寝直前ではなく、就寝の2時間ほど前に風呂に入ることで深部体温の下り始めに寝ることができます。風呂は深部体温を一気に温めるため、風呂から出た直後にベッドに入ってしまうと、皮膚温度が高く、放熱されにくいため、深部体温がうまく下がっていきません。
また、40℃以上など風呂の温度が熱すぎると2時間前でも深部体温が下がりはじめない可能性があるので、熱いお湯が好みの人はもっと前に入浴するのも良いでしょう。
人それぞれ、放熱する時間は違うので、目安は2時間ですが、「個人差があるので自分にあった温度や時間を見つけてみてください。
就寝前にぬるい飲み物を飲む
あたたかい飲み物を飲むことでも深部体温を調節することができます。お風呂に比べて、ゆるやかに深部体温をあげるので、就寝前のゆっくりとしている時間にぬるめの飲み物を飲みましょう。
このときに気をつけてほしいのがカフェインの含まれていない飲み物を選ぶことです。カフェインにはとても強い覚醒成分が含まれているので、深部体温の低下による眠気も吹き飛ばしてしまいます。お風呂と同様で、熱すぎる飲み物を飲んでしまうと、深部体温の低下が遅くなるだけでなく、急な刺激により目が覚めてしまうのでぬるめの飲み物にしましょう。
エアコンで部屋の温度を調節する
夏や冬にはエアコンをつけることがあると思いますが、エアコンをうまく使って熱すぎない状態をつくることで、皮膚からの放熱を促し、眠りやすくすることができます。寝心地の良い温度に設定することも大切ですが、つけっぱなしには気を付けましょう。
暑いからといってエアコンをつけすぎると体が冷えすぎてしまいますし、寒いからといってエアコンの温度を上げすぎると皮膚からの放熱を邪魔してしまします。タイマーをうまく活用しましょう。
精神を整える
寝られないという人は、色々なことに敏感になっている状態なので、リラックスする必要があります。リラックスすると副交感神経と呼ばれる自律神経が優位になり、寝つきやすくなります。体を動かしたり、精神を統一することで心をリラックスするだけでなく、身体もリラックスさせることができます。
呼吸法
呼吸は自律神経が行うため、わたしたちの無意識下で行われます。しかし、呼吸法を行うことで、自律神経をコントロールし精神的にリラックスすることができます。オススメの呼吸法に腹式呼吸と4-7-8呼吸法があります。腹式呼吸は、横隔膜を上げずにお腹を膨らませて呼吸する方法です。腹式呼吸はシンプルなので方法にこだわらず自分がやりやすい方法で実践してみましょう。
次に4-7-8呼吸法を紹介します。
- 4秒で吸う
- 7秒呼吸を止める
- 8秒かけて吐き出す
3セットやっても1分間なので寝る前に取り入れてみましょう。
この呼吸法はヨガの呼吸法としても知られています。
ストレッチ
ストレッチは呼吸法と違い体を動かすのでほどよい疲労感を得ることもできます。柔軟体操など学校でならったストレッチで十分です。就寝前に体をほぐし、ゆっくりと呼吸することが大切です。
呼吸法もストレッチも体と心をほぐすことだけでなく、良い入眠前の儀式として定着させることが大切なので、続けられる範囲で無理なく実践しましょう。
寝具
寝具は身体的にも精神的にもコンディションを整えるための大切なものです。私たちの身体は寝ている間に、ベッドや枕から力を受けています。寝具が身体と合っていないと寝ているときに、身体の一部に集中して力がかかり、身体に負担を与えます。身体に体圧分散性の高いマットレスを使用することで身体のストレスを取り除くことができます。
マットレスはオーダーである必要はありませんが、枕はオーダーをおすすめします。精神的にリラックスできるかということも大切です。締め付けすぎないパジャマや綺麗なシーツ、布団など簡単な寝具から変えてみるのも良い考えです。
寝るための最高のコンディションを実現しよう
寝れない人にとって大切なことは、寝るためのコンディションを整えることです。
そのために一番大切なのは、体内時計によって睡眠リズムを整え、そのリズムにあった生活リズムを整えることです。すぐに、すべてに取り組みはじめるのではなく、じぶんにできるところから、一つずつはじめていきましょう。
少しずつ、寝るためのコンディションを整えていくことで、いつのまにかに寝られるようになるはずです。
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