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【アビーム社】最大の課題である「従業員をどう巻き込むか」- 社員2,000人以上が運動プログラムや睡眠改善の参加に至るまで

(※こちらの記事は後編となります。前編のリンクは下記より)

【アビーム社】コンサルタント48名からなる「Well-Being Initiatives」 – 「食事」「運動」「睡眠」「検証」を4つのチームで担当し、生産性向上を目指す

■お話をお伺いした方

執行役員プリンシパル 
P&T Digital ビジネスユニット IESセクター長
Well-Being推進担当

堀江啓二様

■会社について

事業内容|
マネジメントコンサルティング(経営診断・戦略立案・M&A・アライアンス)
ビジネスプロセス コンサルティング(業務改革・組織改革・アウトソーシング)
ITコンサルティング(IT 戦略・企画立案・システム開発・パッケージ導入・保守)アウトソーシング
設立|1981年4月1日
従業員数|5,915名(連結2019年4月1日時点)

総合マネジメントコンサルティングファームであり、グローバルにお客様のビジネス変革をサポートしているアビームコンサルティング様。
社員をビジネス界のアスリートとして捉え、社員の自己実現をサポートするための4つの軸(「Smart Work」「Diversity&Inclusion」「Well-Being」「Social Contribution」)で働き方改革を進めている。

本格的な取り組みを始めてからまだ間もない中で、コンサルタントとして多くのプロジェクトをリードし、経験を重ねた役員がリーダーを務めつつ、経営層を含む様々な役職の方を巻き込み、制度を作ってきた実体に迫る。

■後編

-健康経営をやってみようと考えた背景をお伺いしても宜しいでしょうか。

(堀江様)
健康支援室という、社員の健康を管理する部署自体が本格的に稼働したのが2014年ごろで、当時から自律的にセルフケアの能力を高めることを目標に様々な活動をしてきました。

すでに取り組んでいた「Smart Work」「Diversity&Inclusion」の取り組みも含めて評価され、経済産業省より優良な健康経営を実践している法人として「健康経営優良法人2018(大規模法人部門)~ホワイト500~」の認定を受けました。

制度ありきで行動したという感覚はなく結果的にほとんどの項目に対して行動できていたという感じです。

-取り組む中で意識していたことはなにかありましたか。

(堀江様)
せっかくなら楽しくやろうと考えていましたね。

また、最新の情報を提供することを意識しました。

加えて、インプットばかりだとどう行動したらいいのかわからないとなってしまうので、明日から活用できる実践法を紹介するパートを必ず入れるようにしています。

ー企画を考えられるときに最初に行ったことはコンサルタントの方へのヒアリングですか。

(堀江様)
研修を行う際にはアンケートを必ず行う習慣があるので、必ずフィードバックをもらってそれを参考にしています。

本当に正直に書かれるので、つまらないコンテンツに関しては本当につまらないと書かれてしまいますが。(笑)

また社員は忙しい時間を割いて出席しているので、満足度の低いコンテンツに関しては途中で退出されるケースもあります。

なので、途中で退出させないためにも、最新の情報を提供し、コンテンツの質を高める工夫はしています。

-初めから取り組まれるときに予算をある程度確保してから取り組みましたか。

(堀江様)
2017年にWell-Being Initiativesを発足した際に予算化しました。

それまでは健康支援室の予算で取り組みを行っていました。

-Well-Beingを推進していく中での課題はありますか。

(堀江様)
弊社の特徴として、コンサルタントが国内外でのクライアントで働くケースが多いです。セミナーに関しても本社でしか出来ないということもあり、まだまだ参加人数が少ないことが課題ですね。

海外の社員からもやって欲しいという声はあるので、電話会議やWEB会議で巻き込みを行おうと考えています。

またコンサルタントはプロジェクト先のスケジュールで動いたりするので、業務との兼ね合いも難しいし、伝達手段も限られているので告知も工夫が必要です。

-現状、告知に対してメールのみなのですか。

(堀江様)
本社勤務以外の人に対してはメールや社内のポータルサイト、サポートメンバーからの口コミですね。

本社内ではポスターやデジタルサイネージなども活用して告知を行っています。

最大の課題は社員全員の巻き込みです。

Well-Being Initiativesが発足してから運動分野の施策でウォーキングイベントを行い、告知をすることによって3割くらい増え、今では2000人以上の方が参加してくれています。

また、参加意欲を高めるためにインセンティブを考えたりしています。

-インセンティブはどのようなインセンティブをあげていたのですか。

(堀江様)
人事評価には全く関わっていないのであくまでイベント単位ですが、ウォーキングイベントでは福利厚生の一環として、カフェテリアポイントといって、歩数に応じたでポイントを付与しており、貯まったポイントで買い物や自己啓発支援ができるシステムになっています。

また、歩数ランキングが出るのでお互いに競い合ったりしていますね。

そして、楽しそうな集合写真を社内に展開するととてもうけはいいです。

ランニングイベントも初心者を集めて取り組みを始め、最終的には駅伝大会への出場などへ発展し、CWO自ら走っていましたしね。(笑)

-現在、力を入れている取り組みは何ですか。

(堀江様)
特に注力しているのは「睡眠」です。

睡眠に関しては以前から取り組みを進めていたのですけれども、2018年の後半からスリープテックなどを導入し、睡眠改善プログラムを実施したことで社員の感心が高まりました。

睡眠の質が可視化され、効果が得られやすいことは我々も見てわかりましたし、即効性が高いと感じました。

また、他社様も同じだと思うんですけれども、健康診断の問診では睡眠の悩みが一番多いんですよね。

コンサルタントは不規則な生活になりがちなので、睡眠セミナーを要望する声も非常に多く、睡眠に課題を持っている人は多いと思います。

寝ていないときのパフォーマンスの悪さは自身でも最もわかりやすいですよね。

なので、戦略的に睡眠の質を高めることを早い段階から啓蒙していくと決めました。

うつ病予防のために寝ましょうとかではなく、よりパフォーマンスを上げるために、睡眠の質改善に関する知識をインプットするアクティブスリープセミナーは毎月行っています。

そして、昼の休憩時間に行うパワーナップ(仮眠)ですね。

その重要性を理解してもらうために、アイマスクを社員総会でも約1,000人に配りました。

また、メールで定期的に、パワーナップ実施に関するリマインドを配信したり、デジタルサイネージの中でもパワーナップの重要性を訴えかけたりしています。

-パワーナップ推進にあたり、課題はありましたか。

(堀江様)
一見するとパワーナップが居眠りやサボりみたいに捉えられてしまうことがあり、重要性を分かってもらうために、経営層や社員に意識を変えてもらう必要があったことですね。

最初はなかなか理解してもらえていなかったのですが、社長自らアクティブスリープセミナーに参加し、その効果を感じてもらうことで、全社的にパワーナップを進められるようになってきました。

実は全般的に「健康経営って何なの。」や「健康経営って意味あるの。」みたいに思われてしまうことがあります。

なので、トップも含めて考え方を変えてもらうために啓蒙し、全体的に広げていく必要があると考えています。

-弊社もスリープテックで企業様にご利用頂いておりますが、一番難しいことは継続させることであるとおっしゃる企業様もおります。

御社は一度ご利用頂いた方は継続してやってくださいますか。

(堀江様)
自主性を重んじているのは、そこに理由があります。

なぜやるのかということをわかっており、やらされている感は全くないので継続して利用してくれます。

スリープテックを活用しつづけること自体が目的ではなく、気づきを与えるきっかけになれば良いと思います。気づきを与えることで、行動をパターン化し定着させていきたいと考えています。

-健康経営の取り組みを通じて見えてきた組織や従業員の変化はありますか。

(堀江様)
各企画への参加率が上がってきていることは変化の1つですが、まだまだこれからだと思います。

社員の能力を最大限発揮できるように、パフォーマンスに繋がっていることを定量的に示すことが重要だと思います。睡眠の質改善はまさに目に見えるところがあり、会社としてもっと積極的に取り組もうという機運が高まっています。

また、現在は我々の食事や運動や睡眠という健康習慣と個人個人のパフォーマンスがどう関連するかの検証を行っています。誰が見ても納得するようなファクトを作らないといけないですね。

なぜなら、弊社はコンサルタントが集まっているので根拠を明確に示し、論理的に説明ができて初めて動き出してくれる人が多いからです。

-今後「Well-Being」を通して、何を行っていきたいのですか。

(堀江様)
パフォーマンスとの関連性を明らかにしていきたいです。

個々のパフォーマンスだけでなく会社としてのパフォーマンスをどのようにあげることができるかですね。

関連性があると我々は考えているのですが、誰が見ても分かる形にしていきたいと考えています。

また、主観的なデータが多いので、客観的なデータと掛け合わせて個人別の健康習慣やコンディションとの関連性、そして企業の業績などのデータとの関連性を可視化させていきたいと考えています。

-傾向が出てある程度健康経営を取り組めば、会社として業績もあがったというのは社外にも発信していくのですか。

(堀江様)
我々の中である程度検証した段階でその関連性について形にすることで、ノウハウとして活用していきたいと考えています。

-この度はお忙しい中、貴重なお時間を頂き誠にありがとうございました!

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