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「課題先行ではなく、マズローの欲求段階説を基に従業員のニーズを満たす」SHIFTの知られざる人事制度とは

■会社について

事業内容|ソフトウェアの品質保証、テスト
事業設立|2005年9月
従業員数|2706名(連結2019年2月時点)

拡大するIT需要を支えるソフトウェアのテスト・品質保証。これまで、開発者がプログラミングと同時に行うことも多い業務であったが、開発者自身が自ら作成したプログラムをテストすることは、エンジニアのモチベーション低下や第三者性の欠如による抜け漏れ、コスト高といったデメリットにつながります。SHIFT様は、開発者がより開発業務に集中し、業務知識やノウハウが必要な品質に関わる業務はその道のプロが実施する分業の考え方をもとに、品質への信頼性が特に重要になる金融業や流通業を中心に、幅広い業界のソフトウェアテスト・品質保証業務を実施する専門会社です。

急成長を遂げるSHIFT様を支える、HRの裏側を聞いた今回のインタビュー。年間で1700名もの人材を獲得する採用の工夫から、彼らが入社後やりがいをもって活躍するための人事データ構築のシクミとその活用施策、報酬制度など多くのお話を伺いました。お話の端々から、IT業界やそこで働くエンジニア、そして人事の常識も変えていきたいというSHIFT様の意志が伝わります。

■お話を伺った方

①株式会社SHIFT 執行役員(事業本部 本部長 兼 人材戦略統轄部 統轄部長)
菅原要介様
②株式会社SHIFT 人事本部 コーポレート人事部 人事企画グループ グループ長
中園拓也様

ーはじめに、お二人と御社についてご紹介いただけますでしょうか。

(菅原様)
私は2008年にSHIFTにジョインしまして、11年目になります。現在はビジネストランスフォーメーション事業部という単体の事業部の統括と人事領域も一緒にやっています。

(中園様)
人事データを抽出し、集約して評価などに活用するシクミの構築に取り組んでいます。

(菅原様)
弊社は製造業のプロセスを分解し、業務効率化をしていくプロセスコンサルティングを創業事業としていました。創業から数年後に出会ったIT業界における労働集約型かつ非効率なソフトウェアの品質保証・テスト業務の実態を目の当たりにした際に、この業界でも同様の手法が活用できると判断し、これをビジネスチャンスと捉え、現在ではソフトウェアテスト・品質保証事業を専業で行っています。IT業界では、この業務領域の専門会社ってなかなかないのですけれど、そのニーズはどんどん大きくなっているというのが現状です。

ーこれまでジョインされて11年間いろいろな仕事をしてきたと思うのですけれども、大きく御社のフェーズを分けるといかがですか。

(菅原様)
僕の中では大きく2回かなと思います。一つは、事業がコンサルからソフトウェアテストに変わった2009年、もう一つは、単なるソフトウェアテストからお客さんの品質を担保する品質保証にビジネスの軸を転換した2016年です。

2016年からの成長に何が効いているかというと、そのころからエグゼクティブ層を採用してきました。報酬制度も1100万円くらいまでしかテーブルなかったのですけれど、改訂して今では2500万円が上限です。

また、人事制度という観点では社員数もグループ全体でいえば現在3,000数百名を超えてきて、いろんな背景や欲求を持った人がいるので、それに合わせた施策というものが必要になってきています。

ー御社の理念やクレドについて伺えますか。


SHIFT様のクレド

1.ふてくされない、素直に受け入れる

2.できないとは言わない、できると言った後にどうやるかを考える

3.我々はビジネスの世界におけるアスリートである、脳で汗をかけ

4.楽しいと思えることを提案し、自ら仕事を創りだす

5.つらいときこそ、笑顔

(菅原様)
結構いろんなキーワードがあるのですけれども。SHIFTの社名自体も、世の中の価値を1段階上に引き上げる、SHIFTさせるという意味があります。

テストや品質保証の世界でも、SHIFTが目指すのはこれまでの常識を変革し、エンジニアの仕事の価値や、エンジニアの地位、さらには報酬さえも引き上げたりとか、大切にしているところの大元はそういったところだったりしますし。

優秀な人間が集まって世の中のために仕事をしたい、知の再分配をしたいとも思っています。こういった考えの元に創業時集まってきた人たちが、「こういうのって大事だよね」って話していたことがこの5つのクレドになりました。

(中園様)
SHIFTに入社する際の説明でも、これが大事なポイントです、というのを皆さんに伝えています。例えば、「できないとは言わない、できると言った後にどうやるかを考える」というもの。初めに出来ないと言ってしまうともう可能性が閉ざされてしまいますけど、出来るかなって思った瞬間に脳みそが拓く。出来る方法を頑張って探すという姿勢が需要ですよね。

ーHRのことに関して、抽象的な質問なんですけれども、理想の組織はどんな組織でしょうか。

(中園様)
組織の在り方はいろいろあると思うのですけれど、前提として自律的な活動ができること。なので、ちょっと突飛かもしれないですけど、個人的には究極人事が必要なくなるような会社がいいんじゃないかくらいに思っています。

ー凄い面白いですね!

(菅原様)
弊社がこのソフトウェアテスト・品質保証という事業領域で1,000億、5,000億という高みを目指していこうとするうえで、その成長を共に歩んでくれる優秀な人材に対して、その仕事ぶりに見合った報酬とやりがいが提供すること。シンプルですがこれが大事だと思います。

ー次に、 採用についてお話をお伺いできますか。
面接の様子を録画するという他社にない取り組みをしているとのことですが。

(菅原様)

そうですね。人事業界の方々には、そんなことしたら候補者さん離れちゃうんじゃないかと言われたこともあります。ただ、僕らはもともと人事出身じゃなかったのでとりあえずやってみようと。

なぜこの取り組みを始めたかというと、候補者の方にとって2次、3次、4次面談と何度も同じことをお話頂くのは、時間的にも労力的にも負担が大きいですよね。さらに、就職エージェントや企業の人事担当者も、何回も同じ内容の面談を調整することに時間を取られるというのはもったいないんです。

録画した面接の様子を10人くらいが見て、いいなと思う方がいたら採用します。そうすれば、エージェントさんからしても、月末の目標後〇人というタイミングでも「SHIFTさんなら3日で決まるしね」と紹介数が高くなります。

元々、弊社のDNAがプロセスの分解・見直しなので、採用とか人事の常識さえもより良く変えていきたいという思いが強いんです。

ー採用は中途・新卒問わずなさっているのですか。

(菅原様)
ソフトウェアの品質保証・テストはいわば玄人業務なので、向いているのは中途です。普通の若手は開発がしたいと思っている方が多いので。新卒は、今年530人の正社員採用の内、30人くらいとっていません。ただ、エンジニア市場はかなり競争率も高いですし、未経験者の採用も注力しています。未経験者の採用にあたって大切なのが、素養のある人を見抜くことですね。経験や知識はあとから身に付ければいいですし。素養を見抜くというために、CAT検定という検定試験を受けてもらっています。

ー自社独自の検定?

(菅原様)
自社独自ですね。ソフトウェアテストと一概に言っても、その業務内容や役割はいくつかに分かれ、当然資質も変わってきます。例えば、ソフトウェアの仕様を理解してテスト内容を組み立てる人と、組み立てられたテスト項目をチェックしていく人がいます。例えば、組み立てる人に必要なのは、テスト項目のパターン出しを漏れなくできる能力です。また、チェックする人は、その項目をいかに素早く正確に判断できるとか。不具合の内容を正確に伝えられるコミュニケーション能力も重要です。

また、採用に関して最近力を入れているのがブランディングを意識した認知の向上です。市場調査をしたところ、弊社のことを知っている企業ってこれまでほぼ0%だったんです。しかし、テレビCMやWeb、駅広告などの施策を打ったことで、約3割の企業に知ってもらえるようになりました。ただ、この数字も大手の企業様に比べればまだまだ低い。

ただし、他社の数字と比べると、認知された後に「転職してもいいかもな」と思ってもらえる率は逆に高かったんですよ。認知を増やせば弊社への転職希望者も増えることになるので、転職の潜在層に対するブランディングには力を入れていますね。最近は、首都圏のタクシーにも広告を出したりしています。

また、新入社員1,000人を対象に弊社のどのキーワードに惹かれたかリサーチもしています。すると、意外にも会社としては意図していなかったんだけど、重要視されているキーワードもあったりして。そうやって、随時打ち出す内容の見直しもしています。

ー採用後の定着の仕組みについてはいかがでしょうか。

(菅原様)
入社後必要になってくるのが、評価報酬制度ですね。今後社員数を拡大していく中で、この部分の厚みを増していくことが大事かなと。弊社は年間の成長率が新興国並なので、報酬もそれに合わせてアップすることには絶対にこだわりたいですし。

逆に言うと、そういう付加価値を生み出すサービスを事業部は作らないといけないというモチベーションになっています。実は、退職前アンケートもやっていますが、その際報酬への不満ってあんまりないんですね。

また、国籍とか性別とか年齢とかに囚われない。能力とか成果とかで評価されるようにしたいので。先日、定年制もこのまえ70歳に引き上げました。将来的には、80でも90でも能力があって仕事が出来るのなら参加してもらえる仕組みにしたいと思っています。

ー様々な取り組みをされている背景には組織上での課題があるのでしょうか。

(菅原様)
課題キックというよりも、従業員のニーズを満たすために必要だから打つような形です。例えば、マズローの欲求段階説をもとにSHIFTには今どのレイヤーにはどういう人が多くて。かつ入社してからだんだんと日を追うごとにそれを満たすような施策が打てているのかというところを考えています。例えば、ここには承認欲求を満たす施策が足りないね、となれば承認欲求を満たすようなイベントをやったり、マネジメントをしたりしています。

また、いろんなメンバーがいるのでその人にまつわる情報を一元的に見られるヒトログというツールを自前で作る取り組みもしています。例えば、どういう案件に参画して、どういう仕事をしているのか。他にも大学と連携して、メンタルヘルスに関する調査を点数化したり、職場や家族の支援度合いがどれくらいあるかみたいな項目、従業員満足度もとっています。あとは、社内のフォロワー、つまり部署や役職に関係のないつながりを知るために、それぞれが一緒に働きたいと思う人メンバー10名を調査するアンケートや、半期に一回上司から降りてくる評価内容に対する逆フィードバックだったり。

こういった情報を一元管理することで、人材をより輝かせたり、働きやすい環境をつくるための施策に活かしています。

ー最後に、今後に向けてここからさらに強化されたい、こういう領域にも踏み込まれたいなどあれば差支えない範囲でお伺いできますか。

(菅原様)
制度の観点では、年々事業規模も拡大し、従業員数も増えてきているのでそれに合わせて常に制度改定をしていくことが必要です。そして、会社を今以上に成長させるために、より優秀な人材を採用するための採用のシクミ化も必要ですね。

人事施策の面では、ある程度のデータを集めたことで本当に評価されるべき人や、所謂ハイパフォーマーと言われる人の分析もできます。評価が自動化されていくということも出来ますでしょうし。また、その人にとって必要な施策が適切に打っていける。

それが出来るためのデータは集まってきているので、今後はそこを上手くシステム化して、上手くフィードバックに回していきます。

ーこの度はお忙しい中、インタビューにご協力頂き誠にありがとうございました。

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