自覚が難しい睡眠時の呼吸!睡眠時無呼吸症候群の脅威
睡眠時間は十分なのに、疲れが取れないのは睡眠の質が悪いのかもしれません。
そこで、睡眠の質を向上させる方法と考えられる病気について紹介し、特に警戒が必要な睡眠時無呼吸症候群について詳しく解説いたします。
目次
寝ても疲れが取れないのは睡眠の質が関係している
睡眠時間は十分にとっているはずなのに、身体の疲れが充分にとれないときは、睡眠の質に問題があるのかもしれません。
睡眠は時間だけでなく深さが重要ですので、浅い眠りが続くと身体の疲れがいつまでも抜けず、すっきりとした目覚めが得られなくなってしまいます。
睡眠が浅くなる原因
深い睡眠をとることができれば、目覚めもすっきりとしますし、身体の疲れも取れやすくなるでしょう。しかし、さまざまな理由から、眠りが浅くなってしまうことがあります。
眠りが浅くなる主な原因としては、次の4つを挙げられます。
体内時計が乱れている
眠りの深さは常に一定ではありません。
一晩に、深い眠りであるノンレム睡眠と浅い眠りであるレム睡眠を何度か繰り返しているのです。就寝してから早いタイミングでノンレム睡眠をとると、身体の疲れが取れ、朝の目覚めもすっきりしやすくなります。 しかし、就寝してから早いタイミングで深い眠りが得られるのは、体内時計が正しく調整されているときだけです。体内時計が乱れていると、ノンレム睡眠とレム睡眠の繰り返しも不規則になり、適切なタイミングで深い眠りが得られず、身体の疲れも取れにくくなります。
体内時計の乱れを修正するには、毎日、規則正しい生活を送ることがもっとも大切です。決まった時間に眠り、決まった時間に起きるようにしましょう。日中の生活も規則正しさが必要です。
できるだけ同じ時間に食事をし、入浴のタイミングも決めておく方が望ましいでしょう。
自律神経のバランスが乱れている
活動しているときに働く交感神経と休息時に働く副交感神経を「自律神経」と言いますが、交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、深い眠りが得にくくなってしまいます。自律神経のバランスの乱れは、ホルモンバランスの乱れからも起こります。特にメラトニンは、副交感神経が働くときに分泌されるホルモンですが、分泌量が不足すると眠りの質が悪くなり、朝の目覚めがすっきりとしない原因になるのです。
メラトニンの分泌は、朝目覚めたときに明るい日の光を浴びることや、しっかりと朝食を食べることで促されます。自律神経のバランスを調整するためにも、規則正しい生活を目指しましょう。
ブルーライトからの刺激を受けている
スマートフォンやパソコンなどから発せられるブルーライトは、目に見える光の中でも波長が短く、目に強い刺激を与えることで知られています。眠る直前までスマートフォンを見ていると、光の刺激が目の奥に残り、深い眠りを妨げてしまうのです。 ブルーライトは、LED照明にも使われています。LEDの照明は、できれば就寝の1時間前までには消し、目に刺激を与えない環境を作りましょう。
疲れが取れないのは実は病気かもしれない
深い眠りが得られないのは、もしかしたら何らかの病気が原因となっているのかもしれません。
例えば、「睡眠時無呼吸症候群」は、睡眠時に呼吸が止まる病状やいびきで知られる病気です。10秒以上の呼吸停止が一晩に数回表れると睡眠時無呼吸症候群の可能性があると診断されますが、症状が睡眠中に表れるために気づきにくいという側面もあります。 また、寝ようとするときに足がむずむずと痒くなる「むずむず脚症候群」も、眠りを妨げ、快適な目覚めを得にくくする病気です。
その他にも、悪夢や就寝中の大声などが特徴の「レム睡眠行動障害」や充分に睡眠をとれているのに睡眠不足を訴える「睡眠状態誤認」も、身体の疲れが取れない原因です。
睡眠時無呼吸症候群について
快適な睡眠を妨げる病気の中でも、患者数も多く、自覚することが困難なために潜在患者も多いのが「睡眠時無呼吸症候群」です。日本全体で患者は300万人以上いるのではとみられています。
睡眠時無呼吸症候群の症状
就寝中に10秒以上の無呼吸状態が30回以上あるとき、もしくは、1時間に5回以上の無呼吸状態が見られるときは、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
睡眠時無呼吸症候群かどうかは、病院や診療センターで一泊してPSG検査で調べます。 いびきがうるさかったり、夜間に何度も目覚めたり、寝汗をかいたりするときは、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
また、目覚めたときに体がだるかったり、口の中が乾いていたり、日中に激しい眠気に襲われるなどの症状が見られることもあります。
睡眠時無呼吸症候群の原因
首周りに脂肪がついたり扁桃腺が腫れたりすることで、上気道が狭くなり、無呼吸になってしまうことがあります。また、脳の呼吸中枢に異常が生じ、睡眠中に適切な呼吸ができなくなることもあります。
睡眠時無呼吸症候群患者の傾向
体重が増加傾向にある人や気道に悪影響を与えるタバコを常習的に吸う人、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を患っている人に、睡眠時無呼吸症候群が見られることが多いです。
ただし、歯並びに問題があったり、下あごが小さいなど気道を妨げる原因があれば、痩せていても睡眠時無呼吸症候群になりやすいです。
睡眠時無呼吸症候群の予防法
鼻炎などの鼻呼吸を妨げる症状があると、睡眠時無呼吸症候群になりやすいです。鼻関連のトラブルは早めに直しておきましょう。
また、仰向けよりも横向きに眠る方が、睡眠時無呼吸症候群になりにくいので、抱き枕などの試用も検討してみましょう。 睡眠時無呼吸症候群はCPAP療法などの治療法がある病気です。改善されない場合には、一度、病院に相談してみてはいかがでしょうか。
睡眠時の呼吸をチェックしよう
睡眠が浅いと寝ても疲れが取れません。原因はさまざまですが、病気が原因かもしれません。特に患者数が多く、自覚が困難な病気が睡眠時無呼吸症候群です。朝の目覚めがすっきりとしない日が続いたときは、睡眠時の呼吸をチェックしてみてはいかがでしょうか。
病気が改善されると深い眠りが得られ、爽快な毎日を送れるようになりますよ。
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