寝不足で吐き気を感じるのは何故?仕組みを知って対策を!
睡眠は人や動物にとっては、なくてはならないものです。
1日の時間の使い方は人によって違いますが、忙しさや生活習慣の中で時間に流されるように過ごしていると、削られるのは睡眠時間です。
寝不足になると体調不良になり吐き気を催す場合があります。
睡眠にはどういう役割があるのか解説していきます。
目次
眠りのからくりと上質の眠りのメリット
脳は考えるときにだけ働くものではなく、体の全てをコントロールする司令塔ともなる場所です。毎日働き続けると無理がかかり、故障の可能性が高くなるため休息が必要なのです。その休息やメンテナンスの時間が睡眠にあたります。
睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠と呼ばれる状態がリズムよく繰り返されます。
ノンレム睡眠は、脳の活動を最小限に抑えて、壊れた部分の修復や、組織を新しくつり出す時間です。 反対にレム睡眠は起きている間に習得した情報を整理する時間にあたります。
二つの眠りがちょうどよいバランスを得ることで、翌日のパワーをつくり出すのです。 目覚めた時にスッキリしない、昼間の眠気が強すぎるといったときは、レム睡眠とノンレム睡眠のリズムがうまく調和されていないことが原因と考えられます。
では、しっかりと睡眠時間と質の良い眠りを確保するとどんなメリットが生まれるのでしょうか。
吐き気と寝不足の親密な関係
食中毒や、アルコールの飲み過ぎ、悪臭を嗅いだ時、お腹が圧迫されたなど、さまざまな原因によって「吐き気」を経験したことはどんな方にも一度や二度はありますよね。 そういった当たり前の原因ではなく、睡眠不足が原因となって吐き気をおこすことがあります。
寝不足と吐き気はどこでどうつながっているのか、体のメカニズムを考えながら解消してみましょう。
リラックスモードの副交感神経の不活が吐き気を引き起こす
仕事が終わらず帰宅時間が遅かったり、ゲームなどに夢中になってしまうなどの理由で睡眠時間が十分に確保できないことがあります。
睡眠時間は十分にとっているのに、何度も目が覚める、眠りが浅いなどと睡眠の質が良くない方もいますよね。
睡眠時間の不足や睡眠の質の低下が起きてしまうと、副交感神経が不活発になります。 すると内臓の機能が落ちてしまうため、食べた物の消化が不十分となったり、腸の動きが悪くなり、ガスがたまってしまう状態が起き、吐き気の症状へつながります。
睡眠によって左右される自律神経とは
人が眠ることはたくさんの役割がありますが、中でも自律神経を整えるのになくてはならないものです。
自律神経とは自分の意志とは関係なく、体の機能を正常に保つため、24時間体制で動いている神経です。 また自律神経は交感神経と副交感神経と二つの神経に分かれ、それぞれが静と動の反対の働きをもち、コントロールしています。
交感神経と副交感神経はシーソーのような関係で、同時に同じ力を出せず、どちらかが活発になると、もう一方は抑制されます。 交感神経が活発になると脳が興奮し、心臓の動きも早く、呼吸も浅く早くなり、まさに頭も体も活発になります。 副交感神経が活発になると、筋肉や血管が柔軟になり内臓機能も活性化されるのでエネルギーの貯蓄期間となります。
二つの自律神経がそれぞれの働きを尊重できる時間ということも大切です。
吐き気だけじゃない寝不足が原因の症状とは
寝不足から起きる症状は吐き気だけではありません。
日頃から感じる苦痛症状は、寝不足が原因の可能性があります。
いったいどんな症状があるのか知っておきましょう。
記憶力、集中力、判断力の低下
脳の中にある伝達神経が疲労したままのため、十分に機能を発揮できない現れです。
風邪や病気に対する抵抗力が低下
風邪のウイルスなどが侵入すると、自然に守ろうとする機能が体の中に存在していますが、寝不足のためにそういった免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。
熱中症にかかりやすくなる
寝不足は自律神経のバランスを崩し、めまいなども生じますが、さまざまな体の機能を侵します。 その一つに体温調節がうまく機能しなくなり、夏には熱中症などにかかりやすくなってしまうことがあります。
慢性頭痛に悩まされる
慢性的に起きる頭痛にも片頭痛、群発頭痛、緊張型頭痛などの種類があり、痛みの発し方はそれぞれ違います。
しかしいずれも寝不足によるストレスが原因です。
精神的に不安定になる
寝不足によってストレスがたまると、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの分泌不足が生じます。セロトニンが増えると気分が明るくなりますが、不足した場合は何をしてもやる気が起きない、マイナス思考となり、心のバランスを崩します。
こういった症状が進行してしまうと、うつ病という病気に発展し、治療が必要となるケースもあります。
寝不足の解消!質の良い眠りに出会える方法
吐き気の原因である寝不足を一気に解消できたらいいのですが、これまでのライフスタイルを大きく変えるのは困難です。
そこで睡眠時間だけではなく、
「質の良い眠り」
につながる方法を少しずつ取り入れてみまよう。
寝る前の飲食に注意
夕食や夜食は、できるだけ睡眠の2時間前に済ませましょう。
寝る直前まで食べてしまうと、寝ている時間にも胃や腸が働かなければならなく、夜中に目が覚めてしまう原因にもなります。
またアルコールは控えることが望ましいです。交感神経を活発にしてしまうため良い眠りの邪魔となってしまいます。
コーヒーやお茶などのカフェイン飲料は覚醒作用があるため、夜よりは昼間に飲む方が良い効果を生み出します。
寝る前の入浴で体温調整
ベッドに入る前に深部体温を上げておくと、その後の体温の急変化によって良い眠りにつながるということがわかっています。 寝る2時間前の入浴が最も効果的ですが、お湯の温度が高すぎても低すぎても逆効果になることがあり、40℃程度が最適だといわれます。
寝る前はブルーライトを見ない
パソコンやスマホなどの画面はブルーライトと呼ばれるLED照明が挿入されています。 ブルーライトは目にとって刺激が強いため、目を疲労させやすくします。
それだけではなく、脳内の神経にも刺激が強く、覚醒効果があることから、寝つきも悪くさせ、眠りの深さに影響するといわれます。
ベッドに入るときは、パスコンやスマホは持ち込まないようにしましょう。
目覚めに太陽を浴びる
眠りの質の向上は朝の起床時から始まります。
目覚めたら、まずカーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。
体内時間を左右するセロトニンというホルモンが太陽の光によって分泌されます。リズムよく目覚めることで昼間の仕事の効率もアップし、適度な疲労感が睡眠を誘います。 また朝食も体内リズムを整えるのには効果的なので、朝の規則正しい行動は眠りの準備が大切です。
仮眠をとる
寝不足のしわ寄せは昼間に出ます。
昼食後などは特に耐えがたい眠気に襲われる場合がありますが、そこを無理やり我慢すると逆に夜の不眠を作るといわれます。 眠気を一時的に解消することで、午後からの脳の活動がより活発になり、疲れることで夜の睡眠に導入しやすくなるという仕組みです。
しかし仮眠は短時間に留めておくのがポイントで、15〜20分程度が適当といわれます。
上質な眠りで体も生活もグレードアップ
眠りは自然に備わった義務のようなもので、赤ちゃんの頃から眠りに支配されています。
人によっては眠ることよりも仕事や趣味を優先させるという方もいますが、寝不足によって体に不調が現れた時、または生活習慣病などをひき起こしたときには、改めて睡眠の大切さを知ることになります。
睡眠の重要性をしっかり認識し、睡眠時間に加え睡眠の質を上げることで、苦痛を解消していきましょう。
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