【眠れない時こそのツボ押し】ツボを刺激しぐっすり眠ろう
仕事や家事でクタクタに疲れているはずなのに、目が冴えてどうしても眠れない、 夜中にすぐ目が覚めてしまうという睡眠不足解消におすすめなのが「ツボ押し」です。
この記事では、自然に眠れるようになるツボだけでなく、体のコリをほぐしてくれるツボ、ストレスを緩和してくれるツボについても解説します。
目次
眠れない!睡眠に欠かせない物質とはなんだろう
質の良い睡眠には「トリプトファン」が欠かせません。
トリプトファンは「セロトニン」という神経伝達物質を生成する原料で、昼間の覚醒を促し、精神の安定を保ちます。 セロトニンは夜になると、脳にある松果体という部分で「メラトニン」という脳内ホルモンに変化します。 メラトニンは光が減少すると分泌量が増えはじめ、起床から15~16時間ほどすると急激に増え、夜になると徐々に眠くなってきます。 セロトニンが正常に分泌されれば、夜は自然に眠れるのです。
眠れない原因は、ホルモンバランスや自律神経の不調以外にも複数の原因が絡み合っていることがほとんどです。原因を特定して、不眠の可能性をを取り除きましょう。 トリプトファンやメラトニンは、不規則な生活をしていると正常に分泌されず、疲れをとることができません。
睡眠不足を感じるときは、生活習慣を見直す必要があります。
安眠には自立神経の切り替えも大事
自立神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、それぞれに役割があります。
交感神経が優位になると、血圧や心拍数が上昇し、活発に動くことができます。 一方、副交感神経は人の体をリラックスさせる働きがあり、心拍数や呼吸数を抑制します。
しかし、強いストレスがかかると自立神経の切り替えが上手くできません。
これが眠れなくなる原因です。
自律神経は気温差でも乱れ、季節の変わり目は寒暖差と気圧の変動が激しく、交感神経と副交感神経のバランスが安定しません。 また、季節の変わり目は寝ても疲れがとれなかったり、腰痛の悪化や咳が止まらないなど、安眠を妨げる症状が出やすい時期です。
食生活の乱れ
トリプトファンの原料はタンパク質をに含まれている必須アミノ酸です。
必須アミノ酸は体内で合成できないので食事で補給するしかありませが、朝食を抜いたり、お昼をカップラーメンなど、タンパク質の少ないジャンクフードですませたりすると、メラトニンが正常に作られなくなり、安眠できません。
スマホ・PCの見すぎ
メラトニンは、光の量が減少すると増えますが、スマホなどで寝る直前までネットサーフィンをしていると強い光で目が刺激されるため、メラトニンの生成が阻害されて眠りにくくなります。
就寝の2時間前になったら、テレビやPCの電源を落として、スマホの操作はやめましょう。蛍光灯の光も徐々に落としていくのが理想です。
不自然な姿勢からくる肩・首・頭のこり
ベッドや布団の上でのスマホの使用は、首や肩周りに余計な負担を与えます。 不自然な姿勢を何時間も続けると、血流が悪くなり、肩こりが発生します。 肩こりになると、筋肉が緊張した状態がずっと続くため、安眠の妨げになります。
また、人の頭は5kg近い重さありますが、不自然な姿勢で首に頭の重さが長時間集中すると、本来湾曲になっているはずの首がストレートネックになってしまい、頭痛の原因になります。 頭のこりは、自律神経の乱れを引き起こし、不眠だけでなく慢性的な頭痛や眼精疲労のもとになります。
ツボで睡眠の質を改善しよう
睡眠の質は、自分にできることを少しずつ積み重ねていくことで改善できます。 しかし、気軽に短時間でできるものを選ばないと長続きしません。 ツボは一日数回、指で押すだけなので、始めるハードルも低く続けやすいといえます。 即効性があるわけではありませんが、毎日続けなければ効果を実感できません。 あせらずにできる範囲で続けましょう。
ただし、自分でのツボ押しは症状がまだ軽い段階でのことです。 あまりに症状が重い場合は、早めに睡眠外来などで診察を受けるようにしてください。
そもそもツボとは何か
東洋医学の概念のひとつに、気血があります。
気は体のエネルギーであり、血は血液をはじめとする体液すべてをさしていると考えられています。 気血には経路といわれる通り道があり、経路が交差や分岐している重要な部分にツボがあります。ツボは正式には経穴(けいけつ)といわれています。 経穴は全身に点在しています。鍼灸師が触診で患者の体調不良に関連する経穴を鍼、灸などで刺激して治療をするのが鍼灸治療です。
ツボは長年、謎に包まれた部分が多かったのですが、最近では医学的な研究が進み、その効果が世界的に注目をあびています。 体の不調の9割はツボで治癒できるという研究者もいます。
効果の出るツボの押し方
自分でツボを押すときに使う指は、力の入りやすい親指での指圧が最適です。
肩や背中など幅広く、押す面積が広いところは、ほかの指も揃えて押したり、マッサージの要領で手を丸めてグルグルまわしながら押すと効果的です。指が疲れてしまう人は、ツボ押しグッズを利用しても効果は同じです。 100円ショップで売っているものもあるので、自分の好みの物を探しましょう。
また、ツボ押しは呼吸を意識することも大事です。 深くゆっくりと鼻から息を吸って、口からゆっくり時間をかけて吐きながらツボを押すと、より効果が高まります。 スマホを見てずっと下をむいていると深い呼吸ができません。
また、満員電車に長時間乗るなど、人ごみの中にいると、どうしても呼吸が浅くなります。 呼吸が浅くなると、強い不安感に襲われたり、何かトラブルがあるといつまでも立ち直れなくるなど、メンタルにも悪影響が出てきます。 精神的に不安定になると質の良い睡眠もとれなくなりますから、ツボを押すと同時に、呼吸も意識しながら押してみましょう。
つらい睡眠不足を追放できるツボとは
睡眠不足による疲労を放っておくと、仕事や学習への意欲が低下する「睡眠不足症候群」や朝起きることができなくなる「過眠型睡眠症候群」になってしまうこともあります。 自分で改善できそうなところは、少しずつでもいいので早めに対処しましょう。
ツボ押しを毎日続けることで、眠りの質の改善につながります。
失眠(しつみん)
かかとの中心にあります。軽度の不眠に効果を発揮します。
神門(しんもん)
手首のしわにそって小指側になぞり、骨の出っ張りにあたって止まる手前のところにあります。心を安定させ、気持ちの切り替えがしやすくなる効果があります。
百会(ひゃくえ)
頭のてっぺんにあるツボです。両耳の穴と額の中心から後頭部を結ぶ線が交わるあたりにあります。さまざまな経路が集中しているツボで、ストレスからくる不眠にだけでなく、自律神経失調症にも効きます。 睡眠に直接関係はありませんが、体をリラックスさせて眠りの質を高めてくれるツボもあわせて押すと効果的です。
風池(ふうち)・天柱(てんちゅう)
風池はうなじの窪みにあります。天柱は風池より指一本分内側の、やや下にあります。 頭、首、肩のこり、眼精疲労に効果があります。
率谷(そっこく)
耳の一番上から指2本分上にあります。頭の血流を良くし、頭痛を改善します。
肩井(けんせい)
肩の一番高いところで指で押すと痛みを感じるところにあります。全身の血行を良くし、肩や首のこりを解消できます。
手三里(てさんり)
ひじを曲げたときにできるしわに人差し指をあてたところから指3本分、くすり指があたる部分にあります。胃腸の働きを活発にし、だるさや気力の衰えに効くツボです。
井穴(せいけつ)
爪の付け根の両端にあるツボで手足両方の指にあります。 とくに薬指は自律神経の乱れを整え、血圧を調整します。
足三里(あしさんり)
膝の皿のすぐ下にあるくぼみから指4本分、小指があたっているところにあります。病気の予防、体力増進などに効果があり、万能のツボともいわれています。
湧泉(ゆうせん)
足の指を丸めて窪んだところにあるツボです。 足裏を三等分して、上3分の1くらいの位置にあります。血行をよくし、頭や肩のコリを改善します。
ツボは暖めても効果がある
足の裏はさまざまなツボが集まっている場所で、「第二の心臓」ともよばれています。就寝1~2時間前に風呂や足湯で足をしっかり暖めておくと、寝る前に適度に体温が下がり、眠りに入りやすくなります。
ツボを温めるお灸に注目
お灸は、もぐさを乾燥させたものをツボの上で燃焼させて熱刺激を与え、体調不良を改善する方法です。
鍼灸治療の一環でもありますが、火を使わず電子レンジで暖めてテープで体に張るだけの手軽なお灸が市販されるようになり、若い女性の愛用者が増えています。
使い方は一度に2、3カ所まで、使用時間は1回につき5分くらいが目安です。熱があるとき、お風呂上り、飲酒直後など血行がよくなっているときの使用はひかえましょう。
お灸は説明書をよく読んで1日の使用回数や使用量を必ず守りましょう。痕が残ることもあるので皮膚が弱い人は充分注意して使用するようにしてください。
健康的な生活をおくり睡眠不足を改善しよう
不眠の原因は、首や肩に余計な負担をかけるスマホの長時間使用や、栄養のバランスを欠いた食事、運動不足など生活習慣の乱れが重なった結果です。 放っておくと、将来うつ病や認知症をひきおこす可能性も否定できません。
体のツボを押してマッサージしてあげることはもちろん、適度な運動やストレッチなどの対処方もあわせて取り入れて適切な睡眠を心がけましょう。
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